建設業の経営業務の管理責任者と 専任技術者と主任技術者と監理技術者のそれぞれの役割と兼務の可否について教えてください

行政書士米田耕太郎事務所 Administrative scrivener Komeda Kotaro Office

建設業許可申請においては、経営業務の管理責任者と専任技術者がいることが必須条件となっています。ここでは建設業許可取得後に建設業法に基づき現場に配置を求められる主任技術者または監理技術者も含めて各々の役割と兼務の可否について整理してみました。

経営業務の管理責任者の役割

建設業の経営業務全般を管理し、会社の運営を円滑に行う責任者です。経営計画の立案、経費の管理、法令遵守などを担当します。

経営計画の立案

会社の短期および長期の経営計画を立て、方向性を示します。

資金調達

事業資金の調達や金融機関との交渉を行います。新たなプロジェクトのために資金を確保することが重要です。

経費管理

経費の予算を作成し、支出の監督を行います。

業績管理

会社の業績を定期的に評価し、経営目標に対する進捗を監視します。

人事管理

社員の採用、育成、評価を行い、労働環境の改善に努めます。

マーケティング戦略

市場動向を分析し、効果的なマーケティング戦略を立案・実行します。

法令遵守

建設業法や労働基準法など、関連法令の遵守を徹底します。

リスク管理

経営上のリスクを評価し、対策を講じます。

専任技術者の役割

建設工事の請負契約を適切に締結し、工事の進行を監督する技術者です。専ら営業所に常勤し、工事の契約内容を確保します。

工事契約の締結

工事の請負契約を適切に締結し、契約内容を確認・管理します。

工事計画の策定

工事の計画を立て、工程管理を行います。

技術的相談

顧客や発注者からの技術的な問い合わせに対応し、適切なアドバイスを提供します。

技術的指導

工事現場で技術的な指導を行い、適切な施工を保証します。

契約管理

契約内容が適正かどうかを確認し、必要に応じて修正を行います。

品質管理

工事の品質を確保し、施工基準を遵守します。

コスト管理

工事のコストを管理し、予算内でプロジェクトを完了するための戦略を策定します。

環境管理

工事が環境に与える影響を最小限に抑えるための対策を実施します。

主任技術者の役割

建設業者は、請け負った建設工事を施工する場合には、請負金額の大小、元請・下請に関わらず、原則工事現場に施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を設置しなければなりません。主任技術者は工事現場に配置され、工事の施工管理を行います。現場での技術的な指導や監督を担当し、工事の品質を確保します。

現場調査

工事開始前に現場を調査し、必要な準備を行います。

現場管理

工事現場での全般的な管理業務を担当し、作業の進行を確認します。

安全管理

現場の安全を確保し、労働災害を防止するための対策を講じます。

施工管理

施工の進行状況を監視し、工事の進行に伴い、工程を調整し、効率的な施工で計画通りの進行を実現します。

進捗報告

工事の進捗状況を定期的に報告し、問題が発生した場合には迅速に対応します。

技術的調整

現場で発生する技術的な問題を解決します。

技術指導

現場の若手技術者や作業員に対する技術指導を行い、スキルの向上を支援します。

監理技術者の役割

発注者から直接工事を請け負い(元請)、かつ5,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上を下請契約して施工する特定建設業者にあっては、主任技術者に代えて監理技術者を設置しなければなりません。このような大規模な工事や公共性の高い工事において、主任技術者の役割を担う技術者です。工事の安全管理や品質管理を強化し、工事の進行を監督します。

大規模工事の施工計画の監督

大規模工事において、施工計画の立案から実施までの全てを監督します。

大規模工事の監督

大規模工事や公共工事において、主任技術者の監督を補佐します。

安全管理の強化

現場の安全管理を強化し、高い安全基準を維持します。

品質管理の強化

工事の品質を厳格に管理し、高品質な工事を実現します。

関係機関との連携

発注者や関係機関との連携を図り、円滑な工事進行を支援します。

兼務の可否とその理由について

経営業務の管理責任者と専任技術者の兼務は可能か?

可能です。 中小企業において、経営責任者と技術責任者を兼務することで、コストの削減や効率的な運営が可能です。人員不足の場合に特に有効です。

専任技術者と主任技術者の兼務は可能か?

原則不可です。 営業所と工事現場が異なるため、営業所の常駐が求められる専任技術者が現場の主任技術者を兼務することは難しいです。ただし、営業所と工事現場が近接している場合や、常時連絡が取れる状況では例外的に認められることがあります。

【専任技術者と主任技術者が兼務できる条件を教えて】を参照ください

主任技術者と監理技術者の兼務は可能か?

不可です。 主任技術者と監理技術者の役割は異なり、特に監理技術者は大規模な工事において高度な専門知識と経験が求められるため、兼務は認められていません。

お問い合わせ

建設業許可の取得については、建設業許可専門の行政書士に相談することをおすすめします。