後悔する前に知っておきたい。家族を迷わせない「財産調査」と「戦略的評価」の極意
行政書士米田耕太郎事務所 Administrative scrivener Komeda Kotaro Office
目次
【はじめに】その「たぶん大丈夫」が、家族の重荷になる
「うちは財産なんて少ないから」「家族仲が良いから大丈夫」
相続の現場で、私たちが最も多く耳にし、そして最も危険だと感じる言葉です。
いざ相続が始まると、ご家族は深い悲しみの中で、膨大な書類と向き合うことになります。わずかな調査漏れやルールの勘違いが、数年後の税務調査や、親族間の修復不可能な亀裂を招くのです。
今回は、2026年現在の最新実務に基づき、後悔しないための「鉄壁の財産調査」と、税負担を賢く抑える「戦略的評価」を整理してお伝えします。
財産を「種類別」に洗い出すプロの調査術
まずは、財産の全容を正確に把握することが第一歩です。2026年現在、以下のツールを駆使して漏れをゼロにします。
【不動産】全国の土地を逃さない「新・照会制度」
法務局の「所有不動産記録証明書」を利用すれば、亡くなった方が全国に持つ不動産を一括特定できます。2024年から始まった相続登記の義務化により、放置された土地には過料(罰金)のリスクが伴います。今のうちに全てを洗い出すことが家族を守ることに直結します。
【株式・証券】ネット口座も隠れた株も一括特定
「どこかの証券会社に口座があったはず」という曖昧な状態でも、証券保管振替機構(通称:ほふり)への開示請求により、取引のある証券会社名を特定。郵便物が届かないネット証券の見落としを完全に防ぎます。
【負債】3ヶ月の期限内に「借金」を封鎖
銀行(KSC)、クレジットカード(CIC)、消費者金融(JICC)の3つの信用情報機関を網羅し、目に見えない負債をあぶり出します。「相続放棄」の期限である3ヶ月以内に判明させることが、相続人の人生を守るプロの仕事です。
知るだけで差が出る。株価評価「4つの選択肢」
上場株式の評価額は、亡くなった日の価格だけで決まるわけではありません。相続税の計算では、以下の4つの価格のうち「最も低いもの」を選べるという有利なルールがあります。
- 亡くなった日の終値
- 亡くなった月の終値平均額
- その前月の終値平均額
- その前々月の終値平均額
相場が乱高下している時期でも、この「4つの選択肢」を使い分けることで、守れる資産の額が数百万円単位で変わることもあるのです。
目に見えない「デジタル遺産」と「隠れた負債」の探し方
現代の相続で最も難易度が高いのが、物理的な形がない財産と負債です。当事務所では以下の「プロの手法」で徹底的にあぶり出します。
■ デジタル遺産(ネット銀行・証券・暗号資産)
スマホやPCの中に隠れた資産は、以下のルートから特定します。
- メールの解析: 銀行からのログイン通知や、暗号資産取引所からの二段階認証メールをキーワード検索で洗い出します。
- 1円の動きを追う: 通帳の履歴から、ネット銀行への振込や「決済代行会社」経由の少額の引き落としを逃さずチェックします。
■ 「止まらない」サブスクと督促状のリスク
銀行口座が凍結されても、クレジットカード払いのサブスクは止まりません。口座が止まった後、カード会社から「遅延損害金を含めた督促状」が届くトラブルを避けるため、カード明細の英文字のサービス名を一つずつ精査し、迅速な解約手続きを支援します。
■ 隠れた負債(連帯保証・未払税金)
- 連帯保証の調査: 自宅内の契約書や念書の確認に加え、郵便物の中に他人のローンに関する通知がないか精査します。
- 未払費用の整理: 住民税・固定資産税の未払分、入院費の精算、介護サービスの請求書などを「マイナスの財産」として正しく計上し、無駄な課税を防ぎます。
【要注意】生前贈与をめぐる「2つの期限」を混同していませんか?
贈与には、「税金」と「分け方」で全く異なるルールが存在します。
① 税金の話:亡くなる前「7年」の持ち戻し(相続税のルール)
2024年の改正により、亡くなる前7年以内に行われた贈与は、相続財産に足し戻して相続税を計算しなければなりません。税理士や税務署は過去7年分の通帳を遡ってチェックするため、事前の精査が不可欠です。
② 分け方の話:相続開始から「10年」の主張期限(遺産分割のルール)
2023年の法改正により、相続開始(亡くなった日)から10年を過ぎると、過去の贈与(住宅資金などの特別受益)を考慮した「公平な調整」が原則として主張できなくなりました。
放置した結果、過去の贈与が「なかったこと」にされ、現在の遺産を一律に分けざるを得なくなる不公平を防ぐには、権利が守られているうちに動く必要があります。
行政書士は「安心の設計図」を描くパートナーです
財産調査は、単なる「探し物」ではありません。あなたが築き上げた大切な資産を、一点の曇りもない「財産目録」という形にして、家族に手渡す儀式です。
当事務所では、法務・税務(※提携税理士と連携)の両面から、以下を徹底サポートいたします。
- 最新ツールとデジタル解析を用いた、全国の財産・負債調査
- 「節税(株価評価)」と「公平(贈与の整理)」を両立させた目録作成
- 遺品整理の現場から隠れた証拠を見つけ出す実務対応
結びに:相談という名の「家族への愛」
「何から手をつければいいかわからない」と感じた時が、動き出す最高のタイミングです。
あなたが今、少しの勇気を持ってプロに相談することが、将来、残されたご家族にとって最大の「救い」になります。
あなたの不安を、私たちと一緒に「安心」に変えませんか?
まずは初回相談で、現状の棚卸しから始めましょう。


