不動産相続の「本当の価値」|評価・借金・減額の仕組みと円満相続の全技術

行政書士米田耕太郎事務所 Administrative scrivener Komeda Kotaro Office

不動産相続は、単なる名義変更ではありません。「家を継いだ兄は得をしたのか? ローンを背負って損をしたのか?」といった不透明な評価が、家族の溝を作ります。

本記事では、相続のコーディネーターである行政書士が、評価の仕組みと「公平な分け方」のポイントを、実務の視点から解説します。

相続で使われる「3つの評価額」

不動産には、目的によって使い分ける「3つのものさし」があります。

評価の種類行政書士・他士業の関わり主な目的評価の目安(※1)
① 固定資産税評価額行政書士が目録に記載し、司法書士が登記に使用名義変更の手続き時価の約70%程度
② 相続税評価額行政書士が資料収集し、税理士が補正・申告に使用国への納税計算時価の約80%程度
③ 時価(実勢価格)行政書士が算出し、分割の合意形成に使用家族での話し合い「実際に売れる額」

(※1)数値はあくまで一般的な指標です。 実際の評価は、土地の形状や周辺環境により大きく変動するため、個別の判断が必要です。

「住宅ローン」がある場合の判断フロー

「ローンがある家は価値が下がる」とは限りません。まずは以下のフローで、その不動産の「正味の価値」を確認しましょう。

  • 団信(団体信用生命保険)がある場合:借主の死亡によりローンが完済されます。不動産は「借金ゼロの財産」として、満額の価値で分け方を協議します。
  • ローンが残る場合(団信なし):不動産価格からローン残高を引いた「純資産価値」で考えます。
    • 税金: 借金をプラスの財産から引く「債務控除」を税理士が適用。
    • 分割: 「5,000万円の家(ローン3,000万)」は、家族間では「2,000万円の価値」として扱うのが公平です。

【実務】行政書士と税理士の強力なタッグ

不動産の「制約」を評価に反映させ、納得感と節税を両立させます。

  • 行政書士(基本):書類収集と権利整理登記簿や貸家建付地(他人に貸している土地)の契約状況を整理します。
  • 税理士:税務上の評価減を適用収集した資料を元に、税理士が小規模宅地等の特例(最大80%減)などを適用し、納税額を最小化します。

最初の一歩は「名寄帳」から

将来の紛争を防ぎ、家族全員が納得して次の一歩を踏み出せるように整理すること。それが、行政書士である私の使命です。

まずは、市区町村で取得できる、所有不動産を一覧にしたリスト「名寄帳(なよせちょう)」の確認から始めてみませんか?

免責事項: 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の事情に応じたアドバイスではありません。相続税や評価は地域・税法改正により変わる可能性があります。実際の相談は専門家(行政書士、税理士等)へお問い合わせください。